第14章 煙月
何かと言い訳をつけて俺を追い返そうとする和奏の様子に、
合宿中何度も摘み取った不安の芽がまた芽吹き出す。
「俺といるのが嫌なのか?」
今のは少しズルいかもしれない。
こうやって聞くと、和奏が断れないのを、俺は経験上学んだ。
「そういうつもりじゃ…」
俺の予想通りの返答をする和奏の手を、
半ば強引に繋いで和奏の家まで帰った。
和奏が鍵を開け、2人して中に入る。
扉が閉まるなり、和奏を抱きしめ、キスをする。
「ふっ…あっ…。」
和奏にとっては不意打ちだったのだろう。
キスの隙間に必死に息継ぎしようとする様子が可愛過ぎる。
「合宿中から、ずっとこうしたかったんだ。」
一度唇を話し、和奏に告げる。
両手で和奏の頬を包み込んでいる。
またすぐにキスを再開するつもりだから、指一本くらいの隙間しか開けない。
「うん…。でも、ここ玄関だよ?せめてベッドに…。」
「だめ。もう1秒も待てねぇから。しっかり掴まってて。」
返事を待たずに、すぐに和奏の唇を塞ぐ。
俺の様子に、ベッドまで行くのは無理だと諦めたのか、
先程よりすんなりと舌の侵入を許してくれた。
本当に、もう我慢の限界だ。
和奏の背中を玄関の扉へ押し付け、激しく唇を貪りながら、和奏の下着の中へ一気に手を進める。
大丈夫だ。濡れてる。
クチュっと絡みつく愛液を指で弄ぶ。
大丈夫。大丈夫。
自分に言い聞かせた。
無理矢理やってた月島とは違う。
俺は和奏の彼氏だし、和奏だってしっかり感じでくれている。
「あぁ…んんっ。」
溢れ出た愛液で濡れているクリトリスを指先で弾くと、和奏の体がビクンと揺れた。