第12章 逆ハ?なにそれハムのお仲間おいしいの?(黒尾誕生日★番外編)
それは11月16日の出来事だった。
「ニャンニャン、明日なんの日か覚えてるか?」
「いきなり何のクイズなの?やっくん」
そんなことを聞かれても、祝日すらマトモに覚えていない頭は考えることすら放棄しているので首を傾げる。
「やっぱ覚えてなかったか……明日、黒尾の誕生日」
「…………あー、そうだったそうだった。忘れてたわけじゃないよ?」
いやほんとに。ちゃーんと覚えてましたとも、去年の誕生日の翌日まではね!
「ほんとかよ……まぁ、それでさ、明日は休みで部活もないしカラオケ行かね?オールついでに祝ってやろうぜ」
ついでですか、さらっと黒尾くんの扱い酷いなやっくん。本命はみんなで遊ぶことなんだね、目がきらきらしてるよ気持ちはわかる。
わたしも去年はバイト三昧な日々だったから、友達とカラオケオールなんて縁がなかったんだよね。
「うーん……でも今月ちょっとお財布事情が厳しいんだよねー……」
新作ゲームを3本も買っちゃったから軽く万単位でお札がふっ飛んだ。
孤爪くんと一緒にプレイする予定のやつと、18禁乙女ゲーと18禁BLゲーもちろんフルボイス。
年齢制限とか聞いちゃらめ。
「そっか、ニャンニャンって一人暮らしだもんな……あー、久々に時間気にせず遊べると思ったんだけどなぁ……」
やっくんが残念そうに言って机に顔をくっつけた。
しょんぼりやっくんカワユス、写真撮ったら怒られるかな?……あ、そうだ。
「だったらさ、ウチに泊まりにくれば?カラオケはないけどゲームなら少しはあるし、自由にゴロゴロまったりできるよ。眠くなったらすぐに寝れるしさ」
それに二人がいれば攻略に詰まってたゲームを進めることができるかもしれない。
なんてナイスなアイディアなんだ!今日イチで冴えてる。
「いや、ニャンニャン、それはちょっとさすがに……」
「なんですか、極々フツーで面白味のない中流家庭でまかなえるような賃貸マンションじゃご不満ですか」
「そういうことじゃなくて」
体を起こしたやっくんは頭が痛そうに手で押さえている……偏頭痛?大丈夫?