第10章 ロングとショートの間はボブさん
「ニャンニャン、なんでそう思った?」
「ん?さっきは顔赤かったし、手も汗かいてたみたいだったから」
「手汗…………プッ。夜久、お前もしかしてさっき緊張」
「してねえ!!!」
「へぇ〜え」
「ニヤニヤすんな!」
ああ……よくわからないけど、黒尾くんがやっくんからかって生き生きしてる。
黒尾くんて敵に回すと面倒くさ……イラッとするよね。
「ほら2人とも、もう昼休み終わるよ。そろそろ遊ぶのやめたら?」
「「お前が言うな」」
ハモられました。なんで?
「あー……なんか休んだ気がしねぇ、疲れた。お前らのせいだかんな」
「やっくんお疲れ」
「振り回されて気の毒に」
「おい他人ヅラすんな諸悪の根元ども」
あらやだ人聞きの悪い。途中まではみんなで楽しんでたじゃない。途中までは。
「さってと、午後の授業も頑張りますかー……あ、ニャンニャン。『にゃんサマ』が嫌なら髪伸ばしたら?ロング似合ってたし」
「え」
「それは黒尾が好みなだけだろ。それより、髪色戻すだけでも印象変わると思うぜ」
「お」
「夜久の方こそ、自分の好み言ってるだけじゃないんですかあ?」
「は?的確なアドバイスしただけだろ」
いや、あのさー。
「人の髪の毛で揉めないでくれるかな」
くだらないにもほどがある……お前ら早く自分の席に戻れ。
それから渋々解散した2人が、数分後に教室へ入ってきた先生から怒られることはなく無事に授業ははじまり。
今日は当たる日でもないのに何故かわたしが名前を呼ばれたことに首を傾げたら、女子なんだから食べた後は口ぐらいちゃんと拭けと注意された。
ぐんぐんチョコバーのチョコついてたああ!!!
あの2人さっきまで人の顔見てたんだからなんか言ってくれてもいいじゃないか!髪の長さや色よりそっちの方が重要でしょうがー!!
あいつら後で覚悟しとけ。
ジュース奢るだけじゃ済まさないからな!