第9章 おまけな続き
「黒尾っくん!」
「ぐふっ!?」
「黒尾っ!?」
フルスピードで走った先に黒いトサカ頭を見つけると、勢いを殺さぬままその腰めがけて横からタックルをぶちかました。
……あ、よろけたけど持ち直した。さっすが運動部、毎日のように鍛えてるだけはあるね。
「…ニャンニャンお前、俺になんかうらみでもあんの…?」
うーん……黒尾くんの腰回りは太さ的にはいい感じなんだけど、固くてあまり抱きつき心地はよろしくない。
「うらみはないけど妬みはある!身長とか」
「ああ、それはわかる」
「おい夜久お前もか」
「てか聞いて!ほんと聞いてよ真面目にもおおおお!」
「お、おい、どうしたニャンニャン?」
「聞いてやるから鳩尾辺りで頭ぐりぐりすんのヤメロ、地味に苦しい」
あら、すいません。
黒尾くん無駄にでっかいからさー?わたしの頭じゃお腹までしか届かな……あ、無駄じゃなかったバレー部だもんね。
「わかった、今度からもうちょっと下でする」
「いや、それはそれである意味やばいっつーか。まぁ、ニャーちゃんがその小さい体で責任とってくれんなら俺は別にかまわねえけど?」
「なに言ってんだ変態!」
ゴスッ!
ニヤッと怪しい笑みを浮かべた黒尾くんの言葉の意味を理解する前に、やっくんが鋭い蹴りを繰り出した。
うわ、クリティカルヒットだよ天使面して容赦ないなやっくん……声も出さずに悶絶している黒尾くんからそっと離れる。