第4章 WELCOME TO NEKOMA HIGHSCHOOL
「……なんで、孤爪くんが新入生歓迎会を…」
「?………新入生、だから」
「えっ」
「え?」
いっこ下の受験生とは知っていたけど進学先については聞き逃したままだったよ。
志望校合格おめでとうとか祝っておきながら、どうして学校名を聞かなかったんだ興味ありありだったくせに…!
「ごめん、知らなかった」
「………気にしなくていいよ。おれも、言わなかったから」
正直に謝れば、孤爪くんはきょとんとしてから視線を斜め下あたりにそらした。
きょとん顔もかわい…と思いかけて自身の語彙力のなさにへこむが、かわいいものはかわいいのだから仕方ない。
この短時間でわたしの脳内孤爪くんフォルダは容量いっぱいだ。切実にプリントアウト機能がほしい……神様、拡大コピーでお願いします。
思考がよそへこんにちはしながら何か考えている風な孤爪くんをぼんやり見上げていたら、再びゆっくりとちっちゃいお口が動いて。
「……本当は、知ってるかなって思ってたけど」
「え、なんで?」
今度はわたしがきょとんする番だ。ってなんですかそのチラ見。恥じらいなの?1きゅんくらったわ。
「全然聞かれなかったし……クロが教えたのかなって」
聞かなかったのはタイミングを逃しただけなんだけれども、まさか孤爪くんちょっと拗ねてる?
目線合わせてくれないし唇とがってるし………なんだこのかわいい生き物。お持ち帰りしていいですか?ブラッシングなら任せろ、じゃなくて。