• テキストサイズ

【進撃の巨人/リヴァイ生誕祭】④忘れた頃に

第4章 ~冬~ 12月


「エル、俺はただ……」


様々な思いが頭を駆け巡る。


彼女を受け入れるべきか

拒絶するべきか……


だが身体は正直で

リヴァイの足は、既に愛しい人の元へ動いていた。


冷たい石畳に膝をつき、
優しく、そして強く抱きしめる。


「お前に、幸せになって欲しかった」


彼女の頬に自身のそれを重ねれば、じんわりと暖かい。


「お前に、生きていて欲しかった」


彼女の首筋に顔をうずめれば、懐かしい香り。


「お前は……とんだクソ野郎だ」


どんな想いで、お前の居ない道を選んだと思っている。


「ごめん。ごめんね……リヴァイ」


彼女があまりにも泣くものだから、そっと身体を離して顔を確認した。


「きたねぇな」

「なっ!ひどい……ひどすぎる!」


上着の内ポケットからハンカチを取り出し、彼女の顔を拭ってやる。

涙に鼻水、とんだ有り様だ。


「……ちょっとはマシか」

「マシって……どういう事?」

「不細工って事だ、わざわざ言わせるな」


そう言って彼女の髪に指を絡めれば、エルは不満そうに顔を赤らめた。


……懐かしい表情。
数年前の誕生日。この広場の、あのベンチで時計をもらった。

初めての『お揃い』だと主張する彼女に、兵服が一緒だと言った時。


こんな風に拗ねて、そして笑ったんだ。


『言うと思った』って……


/ 58ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp