第4章 ~冬~ 12月
虚無感が私を包み込む
『……似てるんだ』
亡くなった人には適わないと、聞いた事がある。
彼の事を、私は何も理解していなかった。
彼の目に、私など鼻から写っていなかった。
都合の良い勘違いをし、舞い上がっていた自分が情けない。
『いい男を見つけて……幸せになれ』
その言葉に、幸せとは何だろうか?と大層な事を考えた。
穏やかで、平穏な日常。
それこそが『幸せ』だと、多くの人は言う。
私も、そうだと思っていた。
……でも
『幸せ』とは、色々な形があるんじゃないかと。
強く感じるようになった。
ならば、私の『幸せ』とは一体何で
一体どこにあるのだろう?
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