第3章 ~秋~ 10月
「……っう」
締め切った自室の片隅で、リヴァイは手中に広がった白濁色の液体を眺め……舌を鳴らした。
こうして己の欲を自身で処理するようになり、どれだけの日が過ぎただろうか。
気が付けば、あれほど忘れまいと誓った彼女のぬくもりを……
少しづつ忘れていく自分に気づく。
「クソッ……」
戻らないと分かっていても。
もう一度、抱きしめたいと。
ぬくもりを感じたいと思う自分は
なんて滑稽なのだろうか
ため息と共に視線を上げれば、机の上に一冊の本。
先日、エルに借りた物だ。
会う度に彼女の存在が大きくなってゆく。
自分の変化には……
とっくに、気付いている
そして、このままではいけない事も
この気持ちに結論を出さねばならない事も
……分かっている
―――
―――――…