第2章 【Forever mine〜after story〜】
オレは8年前の記憶を頼りに
恵麻の地元の空港を目指し、
到着口に降り立った。
恵麻と一緒にこの地を歩いたことが
まるで昨日のことのように甦ってきて―――。
それだけで、心のなかに
暖かいものが流れ込んできた。
まるで、
止まっていたときが
再び動き出したかのような……。
なんて、
自分の都合よく妄想してる場合じゃねぇわw
しっかりしろよ、オレ。
さて……
これからどうするかな。
アイツの家、だいぶデカかったから…
この辺じゃ有名だったりすんのかな?
オレはタクシーに乗り込み、
「あの…杉原さんのおうち、
ご存知ですか?大きめの。。」
「あ~杉原不動産とこかいな。」
「……かもです。」
「…あんた、
このあたりのモンじゃなさそうやけど、
怪しいヤツじゃなかろうね?
ストーカーとか。」
ストーカーか……ある意味そうだよなw
「や、違います違います!
オレ、そこの娘さんの友達、で。」
「友達……?あー…ね。笑
あそこのお嬢さん、結婚さしたと?」
いや、それ!!
それ、オレが知りたいヤツっ!!爆
暫く黙っていると…
「息子があそこのお嬢さんと同級生でね。
好いとったらしかけど、うちのは全然モテんでね。笑
彼女も学生時代できんかったけん
結婚も無理かなーって諦めとったら
うちの息子は突然結婚してさ。
あれかね?
モテる人ほど選り好みしてダメとかいなw
不細工ほど逃してなるものかーって
勢いでパパーッと結婚するんかもしれん。笑
まぁ、でも、
でも…、そろそろもらってやるたい!笑」
「はい、そのつもりです。」
普段のオレだったら、見ず知らずの人に
こんな風にヅカヅカ話しかけられて、
こんなこと答えるなんて……ありえない。
だけど、
恵麻の地元の空気がそうさせるのか、
オレの逸る気持ちがそうさせてるのか…
気がついたらそう、答えていて。
「かーー!!
わっかもんはよかねー!笑
おいちゃん恥ずかしか!!
ほら、
恥ずかしがっとるうちに着いたばいw」
財布を取り出そうとしてるオレに
「よかよか!
おいからの祝儀がわりたい!
兄ちゃん、頑張りんしゃいよ!!」
そう言ってオレの肩を叩き、
車を走らせて行った。