第1章 【Forever mine:増田貴久】
「そっか……。
もう俺ら、ただの自分って
よくわかんねーもんな…。」
「うん…。でもね、
アイツはよく言ってくれてたの。
頑張ってるオレは勿論だけど、
家でのーんびりしてるただのオレも好きだって。
どんなオレも好きだって。
オレ…、ありのままの自分でいいって
認められることが
こんなに幸せなことだって
アイツに出逢うまで知らなかったの。」
「……親以外でそこまで想ってくれる人に
巡り逢えるなんて…奇跡よな。
正直、増田さんが羨ましいよ、俺…。」
「……でしょ♡」
恵麻、
僕はキミを手放してから
もうひとつ変わったところがあるんだ。
キミに出逢う前のオレは
自分の弱さを
見せたくなかったんだ。
誰にも―――。
でも、キミと出逢って…
弱さを見せることができる
強さを知ったんだ。
だけど、
弱さを見せられるハズのキミが。
ただのオレを
まるごと愛してくれていたキミが
今はもう、隣に居ない……。
だから、決めたんだ。
これまではカッコ悪い姿は
極力見せたくなかったオレだけど
これからは
色んなオレを出していきたいって。
僕はいま
強く、そう思っています。
そんなオレを見て、
違和感を感じてしまうファンのコも
もしかしたら…いるかもしれないね。
でも、頑固だったり
ちょっと世間知らずだったり
大振りして空振りしたり
優柔不断だったり
実は弱かったりするオレも
全部、
全部オレなんだから……。
でも、もしも…
ファンのみんながそんなオレを。
ただの増田貴久を
まるごと愛してくれるなら―――。
そんな幸せなことってないよね?
恵麻……。