第1章 【Forever mine:増田貴久】
泊まりの仕事だなんて嘘だ。
ただ、そうでもしないと、
離れられる自信がなかったから。
少しずつ荷物をまとめて
身軽になっていくキミを
引き止めずにはいられないと思ったから。
今日シゲといることを望んだのは
一人で居たらホテルを抜け出して
帰ってしまいそうだったから。
まだキミがいるかもしれない
あの家に……。
*
ガチャ。
増田「シゲ、寝れない……。」
加藤「ちょっ!!
なんつー顔してんだよ!」
そう言われた途端、
タオルが投げられて。
加藤「まっすーさ、
今日の夜の仕事って……撮影じゃないよね?」
増田「らじお。手越と。」
加藤「じゃあ、セーフか…。」
増田「シゲ、コーヒー淹れて。」
加藤「図々しい客人だな、おいw」
増田「そっちでしょ。
図々しかったのは。」
そう言いながらジットリと
俺を見上げる増田さん。
加藤「だから、それはごめんって。
許してくれたんじゃなかったのかよー?」
増田「そんな簡単な話じゃないでしょ。
2人で部屋で話すとか、マジで最悪。
何かあったらどうすんの。」
加藤「あの、さぁ……。
あるわけないだろ?
彼女はまっすーのコトしか
考えてなかったよ。」
増田「……へぇ?」
なんだよ…、
こんなことで
そんな嬉しそうな顔されたら……
こっちもどうしたらいいか
わかんないじゃんかよ。。