第1章 【Forever mine:増田貴久】
「おはよ。
…って時間でもないかw
もう11時だよ。笑」
「おはよ。あれ? 着替えてる…。」
「うん、ちょっとね。
今日オレ、夕方までオフなの!
何かしたいこと、ある?」
「一緒に、ゴロゴロしたい。」
「それじゃいつもと一緒じゃん。笑」
「うん。同じことしたい……。」
「うん…実は、オレも!」
優しく微笑む彼。
「あれ? なんか今日…、
ちょっとブスじゃない?w」
「うるさいな!w ていうかそっちだって!笑
でも…いっか。おそろいなら、それはそれで。。」
「……どんな恵麻も可愛いよ。」
腫れてる私の瞼に
キスを落とし
おでこをくっつけて
見つめ合う。
「恵麻ごめん。
昨日のオレ、男らしくなかったよな。
反省してる……。
やっぱり、ちゃんと話…しよう。」
「……うん。」
「結論から言うね?」
「うん…。」
「別れなくちゃいけない。
8日以内に…。」
「……8日?」
リミットが2日、延びてる。
交渉……してくれたんだ。
もう、それだけで―――…。
「うん。
急で……ごめんね。」
震える声を必死に音にして
力なく抱きしめる彼に
胸が苦しくなる………。
「でね? 来週の土曜、1日オフだから…
恵麻の地元に一緒に行きたい。
ホントはさ、いつの日か恵麻のご両親に
挨拶に行かせてもらえたら…
って思ってたんだけど。。でも、それは
無理になっちゃったから…。
だから、せめて。
恵麻が育った町を
一緒に歩いてみたいんだ…。」
「嬉しいけど……、大丈夫かな?」
「今黒髪だし、
そんなに目立たないでしょ?
カラオケだって大丈夫だったし。
次もきっと、大丈夫!
ていうか、大丈夫にする!
オレ、プロアイドルだから!!」
「…ふふっ……うん。」
「それで、来週の日曜が
8日後なんだけど…、
オレ、その日の夕方から
泊まりのロケが入ってて。」
「………わかった。」
「恵麻……、
ワガママ、言ってもいい…?」
「……もちろん。」
「オレがロケに出るまでは
一切、荷作りしないでほしいんだ。
きっと、困らせるから…。」
「うん、わかった。……話してくれて、ありがと。
あと8日、大切に過ごそうね?」
「……ありがとう。」