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【報道系】夢小説

第5章 【It's you:加藤成亮】






「俺の人生には恵麻が必要なんだ。
愛してるから…。」




油断してたときにかけられた
甘い言葉にたじろいだ私は


照れくささに耐えられなくて
思わず視線を外す……。




「でもね、1つだけ、
約束してほしくて。」

「……うん。」

「彼への気持ち、
俺に遠慮して偽らないでほしい。

恵麻が本音を隠すと…
きっと、いつまでも
彼に囚われたままだから……。

彼を嫌いになれなくても
好きなら好きなままで、いいんだよ。」

「……私…暴力をふるってくる彼は
怖くて、嫌いだった……。」

「うん…。」

「だけど…、優しいときも、あって。
全部が辛かったわけじゃ、なくて…。
幸せな思い出も確かに……、あって。」

「……うん。」

「彼がしてきたことを知ってる人は
みんな言うの。最低だって。

だけど…彼を否定されればされるほど
幸せだったこともよぎって。。」

「うん……。恵麻の心の中には
彼とのいい思い出も…あるんだよね?

でも、いいんだよ、それで。
無理に彼の全部を嫌いになる必要なんてなくて。

周りがいくら否定してきても関係ないよ。

もう彼のことも
彼のことを好きになった自分のことも、
自分の過去も否定しないで大丈夫だから…。」




加藤くんのように
彼を否定しなかった人は初めてで……。


正直、戸惑った。。


それと同時に胸につかえていたいたものが
少しだけ、溶けかけたのを感じて―――。




「恵麻?
キミは今、彼が閉じ込めた
狭い世界で苦しんでるんだと思う。

そこから抜け出すためにも
まず、過去のキミを認めてあげてほしい…。」

「……認める?」

「うん。キミは彼を。
彼との過去を肯定するだけでいい。

きっと、自分のことを
大切に想える日がくるから。

その頃にはきっと、キミが彼との過去に
自分自身で違和感を感じてると…思う。

そのときがくるまで……待ってるから。」











恐らく
ソイツの、一番の罪は…






暴言だとか
暴力だとか






目に見える
単純なモノではなくて…。






『愛してる』
という言葉を免罪符に
彼女に刷り込み続けた






利己的で…
歪んだ愛だ。






ソイツの罪深さに
辟易する―――…。










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