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【報道系】夢小説

第5章 【It's you:加藤成亮】






そのとき宿った命は
9歳の誕生日を迎えていて。


「成亮さん。やっぱり、
あの子にも兄弟をと、思ってるんですけど…。」

「あぁ、うん…。」


そう望まれれば抱く。


ただ、それだけだ―――。


「……んッ…あっ……」


セックスなんて
愛がなくてもできるし、


「んっ…可愛い……好きだよ。」


愛がなくても
愛の言葉を囁く……。


「…あッ……っ…
成……亮さん…私、、」


俺の背中に回されていた指が爪を立てて、
彼女の限界が近づいていることを知らせる…。


「んっ…オレも……っ!」


でも、その愛の言葉は
相手の為のモノじゃない。


ひいては、自分のための言葉で―――。



自分には愛がないくせに



愛のある家庭を、
だとか



居心地のいい生活を、
だなんて……



多分、俺は…
どうかしてる……。



だけど、
オスとメスがすることなんて、
たかが知れていて…



そこにある愛や行為が
本物かどうかなんて…
本人のみぞ知ることだ。



世の中の夫婦の殆どが、



“きっと、
この人が人生のパートナーなのだろう。”



そういう不確かで曖昧なもので
お互いを信じ合うしかないのが現実だ―――。







「成亮さん。明日のお休みなんですけど…」

「あぁ。」

「祐也を、ゲームセンターに
連れて行ってくれませんか?」

「またか。笑 祐也、相当ハマってる…?」

「えぇ、あなたに勝ちたいんですって。
マリオカートで。」

「ふはっ。100年早ぇぜw」

「ふふっ。」


そう言って微笑む彼女はどうやら、
なかなかの美人らしい。


会社の連中に羨ましがられるのは
いつものことだし、


同じ男だから
その言葉が社交辞令かどうかなんて
案外……すぐわかるものだ。


「いやぁ、マジで羨ましいっす!
あんな美人の奥さんなら
寝る暇、ないんじゃないっすか?!w」


こんな下卑たジョーク交じりの会話も
日常茶飯事で。


「そのテの冗談、好きじゃないんだ。
勘弁してくれよ…。」

「あ、すいません!
奥さんを下ネタに巻き込んで。

加藤さんって、
奥さんを大切にされてるんですね…。」

「そんなんじゃ、ねぇけど……。」



ほら、な。



真実はいつも…



藪の中だ―――。














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