第3章 【ミステリア:増田貴久】
その重苦しい静寂を破ったのは
貴久くんでも私でもなく、
貴久くんの
スマホで……。
スマホからは
昼間の私と加藤くんの会話が流れている。
「……コイツ…誰?」
「…高校のときの同級生だよ。
でも、この会話……どうして?!」
ダンッッ!!!!
力任せに机を叩いた
貴久くんの拳は震えていて…。
「今、質問してんのはオレ。
オマエが質問する権利、
今ナイでしょ?
あんまナメたことしないでくれる?」
「ご、ごめんなさい。でも…、
加藤くんとはホントに何も無かったの。
連絡先だって交換してない…!」
ハァ……。
私が言い終わる前に
大きなため息をつくカレ…。
「何も解ってねーのな、オマエ。
その加藤ってヤツ?
どうせ昔付き合ってたとかなんだろ?
何も無いかどうかを決めるのはオレ。
オマエじゃなくて、オレなの。
勘違いしてんじゃねぇよ。」
乱暴な口調と
鋭く私を睨み付けるその眼の奥に、
不安を必死に隠そうとしてる
貴久くんがいる。。
「……ごめんなさい。」
どうしたらいいのか判らず、
立ち竦んでいると
私の腕を強引に引っ張って
寝室のベッドに投げ飛ばし、
私の手首を掴んで
ギリギリと押さえ付けるカレ。
「………ッ。」
我慢していた声が
思わず…漏れる。
「……知ってる。
痛いようにヤッてんの。」
妖しい笑みを浮かべたカレの口元から
冷たく、そう…言い放たれて。。
加藤くんのしなやかな指とは全然違う
ゴツゴツした貴久くんの指が
ショーツの脇から
突然、
ナカに押し挿ってきて―――。
「っっ!!」
「………やっぱりね。」
貴久くんは直ぐに指を引き抜いて
ベッドの端に座り…
指に絡み付いて
厭らしく糸を引く愛液を…
私に、
見せつけてくる。。
「怒鳴られてンのに
こんなに濡らしてるなんて……
どんだけマゾなんだよ、オマエw」
見下ろしながら、
そう…嘲笑われて……
私の口に
愛液まみれの指を
捩じ込んでくる。。
「……この、インラン。」
私の耳元で
蔑むように
そう、言い捨てると…
羞恥心で
おかしくなりそうな私に
ゆっくりと跨がって―――。