第5章 トラウマ
篤「そういうことだ。」
郁「なるほど。」
『・・ねぇ郁、そこに書いてて見づらくないん?』
郁が手のひらサイズの手帳に書いているもので思わず聞いてしまった。
郁「だって、図書手帳なら必携義務があるから絶対持ち歩くし、分類一覧も付録で載ってるし」
篤「笠原にしてみたら考えたな。まぁ…見る暇があればの話だ」
郁「それってどういう…」
篤「始まればわかる。―――書庫内開架書架は比較的動きの多いものが・・・」
教官の説明は続き、郁はそのあとを追いメモをとる。
わたしもその説明を聞きながら復習した。