第1章 はじまり。
郁が言ってる堂上教官とは、堂上篤二等図書正。
訓練のとき郁に腕立てを命じた教官。
郁「佐々木もそう思うでしょ?!」
『んー?わたしは、そう思わんけどなぁ…』
郁「えー?!あたしだけよこんなに腕立てしてんのは!!そもそもハイポートで男子混ざった中で12位で何が文句あるの!?結果出してるんだから最後のは大目に見たって良いじゃない!!しかもこけたのはゴールの後なのに!」
麻「あー、まぁそれだけ期待されてるってことじゃないのー?ところで、香は何位だったの?」
『んと、10位…やったかな?』
お味噌汁を吸って答えると、麻子は身を乗り出す。
麻「10位?!笠原よりも速いじゃん!すごーい」
『や、たまたまよ』
郁「はぁ~」
郁があたしの顔を見てため息をついた。
人の顔見てため息なんて失礼なやつ。
そんなこと思いながらご飯をつっつく。