第13章 大人の喧嘩殺法
『お時間をいただき、ありがとうございます。
・・・こちらが花火でイタズラした子どもたちです』
堂上教官とわたしの間に座らせた木村悠馬と吉川大河に合図して頭を下げさせた。
目の前に座っているのは“子どもの健全な成長を考える会”の会長。
“考える会”に花火の件を謝罪に行くというのが、隊長が教えた第一手。
名付けて“大人のケンカ殺法その一、自分の弱みをまず潰せ”だそうだ。
『どうしても謝りたいと言うので・・・』
わたしは2人を窺うように目線を向けると、悠馬と大河はそろって頭を下げる。
「「すみませんでした!」」
2人とも真面目な見た目なので、最初は不機嫌だった会長の表情も少し和らいできた。