第1章 はじまり。

郁「あーもう信じられない、あいつ！！」

郁が腕をさすり叫びながら寮へ戻る。

麻「信じられないのはあんたよ、笠原。ましてや教官よ教官！教官相手に…しかも背中にドロップキックなんて」

あとから追いかけてきた麻子が言った。

『教官じゃなくても普通はドロップキックなんかしません』

思わずわたしは苦笑する。

郁「喧嘩先に売ったのは向こうが先」

『それでもドロップキックなんかしませんー！けど、教官は、手加減してたんやない？』

郁「あれのどこが？！」

半ば切れ気味に郁が言う。