第10章 我慢
篤「元気でたな」
『――はい!堂上教官の・・・』
ふと、“手塚のことは名前で呼ぶんだな”という言葉が頭をよぎった。
『篤教官のおかげで』
にっと笑って見せる。
教官はバカ野郎とくしゃくしゃと頭をなでた。
篤「・・・教官はそのままなんだな」
ぼそっと言う。
『へ?』
篤「いや。戻るぞ」
教官はわたしの手を引いた。
『これからも篤教官って呼んだ方がいいですかー?』
篤「バカかお前は!」
顔を見ると真っ赤にしてた。
そのまま手を繋いで部屋に戻ったものだから、そのあとみんなにからかわれる羽目になった。