第1章 はじまり。
篤「受け身ぐらいまともに取れるようになってから、そういう口は利くもんだな。それと、俺よりだいぶ背がお高くておられるようだが、稽古中に一度くらいは畳を拝ませてくれるんだろうな?」
郁「…っこの…!」
いきなり周囲が「おっー!」とざわつき始めて
ズダンと大きな音を立てて堂上教官が床にころがった。
郁が助走つきで、ドロップキックをしたから。
『だ、大丈夫ですか?!教官!』
わたしは堂上教官に駆け寄る。
郁「畳を拝ませて差し上げましたが何か?」
篤「そうかルールは無用か」
そういって教官は立ち上がり郁を引き転ばせる。