第6章 ビール
PM9時
風呂から出たその足で麻子たちの部屋へ向かう。
コンコン
麻「どーぞー」
そんな声がして扉を開ける。
『麻子ー!あの小説かしてー』
麻「いいわよ、そこの棚にあるからもってって!」
『あーとっ!』
簡単なお礼を言い、わたしは本棚から小説を借りてそのまま窓際に腰をおろしページをめくった。
郁「えー?!チョコ!?」
そんな声が上がりチラッと目だけ2人に向けて。
麻「一問間違えるごとに、チョコ一個ね」
実は事前に麻子から教えてもらってた。
今日から書庫業務特訓をするって。
郁の事が気になって小説を名目に様子を見に来た。
特訓は、分類法やらなんやらを問題形式で覚えるらしい。
その罰がチョコみたい。
夜にチョコなんか食べたら肌に直結しそうだよね…
麻子、よく考えたな。
麻「さぁはじめるわよ!」
麻子の目が輝く。
わたしは、小説片手に2人を見ていた。