第2章 そういうところが好きじゃないんだ
ツ、と、彼の指が下着に触れた。
「んっ…」
が、その手はすぐに離れ、また脚を撫でるのだ。
ひどいひどい、焦らすなんて。私は身をくねらせ、抗議するように伊豆くんの顔を見た。伊豆くんはと言えば、先ほどの切羽詰まったような表情はどこへやら、いかにも楽しそうという顔をしている。
「スカート、脱がせていいか?」
「え、だめぇ…」
「見ないとわからない、上手く触れないだろ」
そう言って笑う。
まったく、さっきまでのしおらしい彼はどこへ行ってしまったのだ?伊豆くんという男は、こういうつかみどころのないヤツなのだ。そういうところが憎らしいのだ。
「な、いいだろ?」
「でも、恥ずかしいよ」
「んー…ああ、そうだ」
そう言うと、伊豆くんは私の手をつかみ、自分の手に添えさせて、再びスカートの中へと突っ込んだ。
「やっ、なに!?」
「どこ触ったらいいか、桃浜が教えてくれよ」
「な、なにそれ」
「だって桃浜、自分で触るの得意だろ?いつもやってたじゃないか」
私の顔がカッと赤くなる。よっぽど引っぱたいてやろうかと思った。伊豆くんは相変わらず笑っている。ああもう、この男は。
「な…桃浜?教えてくれ」
伊豆くんは甘えるように顔をすり寄せてくると、ぺろりと私の耳を舐めた。
「ひゃっ、あ…」
またも下半身が疼く。もう、限界だ。
「う…う」
私は伊豆くんの手をとり、彼の指に己の指をかさね、秘部へとあてがった。暖かい。伊豆くんの大きな手が私の秘部を包み込む。それだけで蕩けるような感覚を覚え、私の顔はだらしなく緩んだ。
伊豆くんの手がスルスルと、手のひらで私を撫でるように動く。その感触がまた焦れったくて、もっと、もっと強く激しく触ってほしいと私を追い立てる。自分でも手を伸ばしたからわかるけれど、股間はもうビショビショに濡れそぼっていた。