第4章 番外編
リンがローと一緒に勉強している時、ユーリとレンは買い物ついでに散歩していた。
自慢じゃないが二人とも勉強は好きではない。
レンは読書は好きなのだが、勉強となると話は別なようでユーリと一緒に出掛けることにしたのだ。
「リンの奴、普段からあのくらい真面目ならいいのにな」
レンはユーリに買って貰ったホットドックを食べながら、先ほどのリンの姿を思い出していた。
いつ見ても思うが、彼女の集中力はどこから来るのか分からない。
ドラファルガー家の7不思議の1つだ。
「凄い集中力だよね。お父さんの影響かな?」
ユーリもお菓子を食べながら、二人の姿を思い返して微笑んでいた。
その表情に、レンは少し複雑な気持ちだった。
ユーリの父に対する信頼・尊敬・愛情は、計り知れないものだと最近分かった。
何時も誇らしげに父の話をする母を見て、少し妬けていたのだ。
(てか父さんがチート過ぎるんだよ。医者に加えて億越えの海賊で、更にはフレバンスの国王と来れば勝てるわけねぇよ。どんだけハイスペックなんだよ)
レンはこっそりとため息を吐いた。
別に父を超えようとは思っていないのだが、ここまで絶望的な差があるとため息も吐きたくなる。
それを母に相談してみれば、母は笑ってレンはそのままでいいよと言ってくれた。
しかしそうはいっても、せめて上3つの内どれか1つだけでも父に勝ちたかった。