第3章 後編 愛する彼女と死の外科医
「アスガルドの兵士たちは見張りと警戒の為に、近々フレバンスに派遣するとしよう。後は好きに使ってくれ」
「支援物資は少し時間は掛かるけど、なるべく急いで準備するわ」
「あー取り合えず何かあったら呼べ。別に呼ばなくてもいいけどユーリが心配だからな、なんならうちで預かるか?」
「預けるわけねぇだろうが。ユーリ1人自分で守れねぇでどうするんだよ」
「何それ惚気?愛する人の命を守れないで国民の命が守れるか!っていうあれ?やだー!ラブラブなのね!」
(今後の方針を…決めながら…私は…フレバンスに…残ることになりました)
「うるせぇ、斬られたいのか」
「なによ、相変わらず物騒な人ね」
「つーか政府相手に戦う気満々だけどいいのか?今更だけど」
「それは向こうの出方次第だろうね。万が一に備えて準備しておくことにこしたことはないさ」
(まずは政府の……出方を見るようです)
「ローはなんで政府がフレバンスに来るか知らないの?」
「知ってるわけねぇだろ」
「まぁ予想としては、ローを海賊として悪者に仕立て上げて捕らえた後は、政府にとって有利な人物を王に君臨させるだろうね」
「おまえ人望なさそうだもんな」
「そう?意外とあるって聞いたけど。本当に信じられないけど」
「うわ、まじかよ。やっぱりおまえの国おかしいだろ」
「…てめぇらそんなに殺されたいのか」
(政府はローを捕まえて…新しい王を君臨させるようです。そしてからかう2人に…ローはキレそうです)
「ラミアの言う通り、彼を慕ってる国民が多いのも事実だ。だから政府がどう出るのか気になるところでもあるのだが」
「もう一度七武海に勧誘するとか?もしくは和解?」
「穏便に済むならそれに越したことはないが、後はローがどう考えてるかだね」
「……和解でいいだろめんどくせぇ」
「そう持っていくのがあなたの仕事でしょ」
「…正直向かってくる敵を全滅させたほうが、俺としてはすっきりするけどな」
「個人の問題ならそれで構わないだろうけど、国民の命が掛かっているからね。もちろん分かっていると思うけど」
「てか和解も何もローは別に悪いことしてないよね?」
「前科があるだろ。ついでに言うならこいつは現海賊だぞ」
「あぁ…それもそうね」
(ローは和解で話を…持っていくようです)