第2章 中編 生贄の彼女と死の外科医
あの賭けがどうなったかは分からないが、こうしてまた会えたのだから満足してもらったと思ってもいいのだろうか。
ワンピースがなくなったこの世界はどう変わっていくのだろうか。
私はこの世界で生きていっていいのだろうか。
湧き上がる疑問は沢山あったが、ローと穏やかに過ごせれるのであればそれ以上は望まなかった。
(暫くは一緒に旅をしたいなぁ、それで落ち着いたらどこかの島に住んでもいいだろうし。ローはお医者さんになるのかな?じゃぁ私は何になろう…)
ユーリは次第に襲ってくる睡魔の中、これから先のことを考えた。
もう夢物語でもなんでもない、ユーリが望むのならばきっと叶うだろう。
そんな将来をユーリは楽しみで仕方なかった。
「私と見つけてくれて、選んでくれて、ありがとう」
ユーリの呟きは静かに部屋の中へ響いて行った。
そしてユーリもまたローに抱きつくように手を回すと、深い眠りに入っていったのだった。
中編終了
→あとがき