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時の恋人【ONE PIECE】

第1章 前編 時の彼女と死の外科医




先日ユーリから聞いた話の内容。

ユーリの命は後少ししか持たないので、恋人と別れるのを手伝ってほしいというものだった。

シュライヤは最初聞いた時そんな馬鹿な事しなくて最後まで恋人と一緒にいればいいと言っていたが、ユーリはそんな単純な話ではないと悲しそうな表情で笑った。

更に話を聞いてみれば、恋人も不治の病にかかっておりあと数年もすれば死ぬ可能性があるようだった。

その病を治し、恋人に次の人生を歩んで貰うためにも、ユーリの存在を忘れるほど嫌いになってもらう必要があるのだと。




「……そんなことをして、おまえは幸せなのか?」

ユーリの話を悲痛な表情で聞いていたシュライヤは静かに聞いた。


どうして病を治すのに嫌われる必要があるのか、どうしてユーリが1人で全て抱え込む必要があるのか。

聞きたいことが山ほどあったが、これ以上質問を許さないとユーリの目が語っていたので、深く聞き出すのは止めた。

「はい、彼の幸せが私の幸せですから」

例えそれが、他の女性と愛し合うことになっても、せっかく彼の人生はこれから始まるのだ。

ローのこれからの人生に立ちはだかるものは、病だろうが自分自身だろうがユーリは排除するつもりだった。

「おまえ、不器用なんだな」

ユーリは笑っていたが、泣いているように見えた。



シュライヤはせめて自分にできることがあるのならと、彼女に協力することにしたのだ。


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