第6章 STRIDE
緑色のランプがすべて消えた。
走れ!!
しかし、ちゃんと走れるわけ無かった。この競技は同時にスタートした全員が同じところを通るのだ。私はみるみる人混みにのまれていった。
ひ、ひとが、おおいよ!!これが団子状態!?まさに団子状態!?クールポコ状態!?なぁにィ!やっちまったなァ!?
「うっうわっ、いたっ、あしふまないでっくしゅん!へ?」
隣から冷気を感じる。隣には轟くんがいた。彼、すごーく成績が良いから、スタートした直後にものすごい勢いでゴールに飛んでいってもう居ないかと思ってた。隣にいたのか…。何故かちょっぴり誇らしい気持ちになる。
でも、寒いのって、轟くんの個性?なにす……る、つも、り?
ぴきぴきぴきっ!!
「い''っ!!?な、な!?」
冷蔵庫から取り出した氷を水に放り込んだ、みたいな音がした。気がつくと、足が凍っていた。周りもだ、みんな凍って動けなくなっている。
これが、轟くんの作戦!?これが、轟くんの…個性。
誇らしいとか言ってる場合じゃなかった!轟くんの近くにいたせいか、私、両足が脛位まで凍ってしまっている。
痛い、冷たい、とかの問題じゃない。
足が、動か、ない……!!
轟くんの攻撃を避けた多数の人は素早く先に進んでいる。A組は、私を抜いて全員!?