第6章 STRIDE
4キロ……。そう聞いた瞬間、頭の中での密かな喜びは打ち砕かれた。私は忘れていた。ここは超一流の高校、雄英高校だということを。
よ、よ、4キロ!??長いよ!!なんでそんなに長いんだよ!!
飴を探す小麦粉が砂漠級に大きいの!?ネットをくぐるやつのネットが網タイツ1万本分くらいに長いの!?
「我が校は自由さが売り文句!コースを守れば、何をしたって構わないわ!!」
と不敵な笑いをして先生は言った。いや、カッコいいけども!ステキだけども!!
さっきの余裕は何だったのか。今ではひや汗が止まらない。どんなんなのだろうか、怖いなぁ……。そんな思考が脳から溢れて止まらない。
スタートしようとラインに並ぶ。チラと隣をみると轟くんがいた。
「お、安藤。……先に謝っとく。わりぃ。」
「!?」
不穏だ!!何されるんだ!!怖っ!!
緑のランプが順番に消える。
両手で頬をパチンとたたく。
怖がってなんかいられない。私はみんなに、みんなの隣に堂々と立っていたい。対等な仲間でいたいんだ。そうだよ。いいところまで行けばきっと、噂だって無くなってくれる!!
頑張るしかない!