第6章 STRIDE
とうとう入場となり、お客さんの歓声、マイク先生の熱い実況が聞こえてくる。
たくさん人がいすぎてたじろぐ。こんなに沢山の人に見られる経験なんてあるわけない。
何でこんなに人いるの!?怖い!……大丈夫!体育祭体育祭……。体育祭ってこんなに人いる!?うっそだぁ!……大丈夫大丈夫、ここ雄英雄英……ここ雄英!?
という意味のわからない自問自答を頭の中で繰り返す。
せめて胸を張って歩こうと腹をくくり歩みを進めるも、マイク先生が、
「敵の襲撃を受けたにも関わらず、鋼の精神で乗り越えた、奇跡の新星!!!」
と言ったところでピタッと足が止まりそうになる。そして、体の前で手を組む。
その時、私いなかったんだよなぁ……。
さらに、普通科らへんからものすっごく視線を感じる。あぁ、噂はまだ健在かぁ…。
うひゃあ、居づらいなぁ。私、今日一日こんなに苦しい感じでやるのかな……。あぁ……。