第6章 STRIDE
髪を結い、控え室に行くと、みんなにものすごく心配された。
そんなに緊張が顔に出てるのか、私は。
「ひ、ひよこちゃん?大丈夫?めちゃくちゃ震えとるよ?」
「安藤?落ち着け、な?」
「だ、だ大丈夫!む、むひゃぶるいです!ほら!く、靴!俊足買ったの!」
「武者震いね。」
「俊足て、小学生か!!」
緊張がカンスト状態で震えが止まらなくなっていた。
「みんな!準備はできてるか!!もうじき入場だ!!」
天哉くんが扉を開けて言う。
その言葉を聞くとさらに緊張してきて、もう大変なことだ。頭に心臓があるみたい。
なんか、轟くんが出久くんに宣戦布告してたけど、正直……そんなこと知るか!!!だ。
自分のことで頭いっぱいで、殿上人がなんの話しようがどうでもいい。
全力を、出すだけ!!