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夢を叶える方法【ヒロアカ】

第49章 buzzっちゃったか




「ムカつかねぇんか。散々おもちゃにされてよ。」
「ちょっ、かっちゃん……!」


出久くんが庇ってくれるけれど、それに答えられない。
目が見れなくてふいっと下を向くと、勝己くんはチッと大きな音で舌打ちをして、私の顎を物凄い勢いで引っ掴んだ。

「うぁっ!?」
「おい目ェ合わせろ。」
「爆豪おいっ!?」
「怖ぇって!」

物凄い握力で顎を握りこまれて、痛い。
視線が強制的に勝己くんへ向かされる。いつもの怒った顔でこちらを物凄く睨んでいる。睨まれているだけなのは嫌で、私も何とか睨み返した。

「なんでこんなことになってると思う?」
「しょんな、こと……こっちがききた、」
「舐められてんだっ、バカにされてんだよ!悔しくねぇんかてめェは!!」
「っ……くっ、悔しいし、嫌っ、だけどさっ、」
「だったら黙ってねぇで動けや!」
「う、うごくって……そんな…どうやって、」

勝己くんは大きな音で舌打ちをして乱暴に私の顔から手を離した。それから「てめェで考えろカス!!」と吐き捨てて部屋から出ていった。

「安藤大丈夫!?」
「きっ、気にしないでいいからね!」
「ひよこちゃん?」

勝己くんが出ていき、みんながわっと駆け寄ってくれた。心配そうに声をかけてくれる中、私は、

「……。」

呆然と、何も言えなくなっていた。

みんなの前であの話をされて恥ずかしいし、久しぶりにあんな至近距離で凄まれて怖かったし、ほっぺた痛いし、それに。
感情だけが頭の中で溢れかえって、思考が上手くまとまらなくなっていたのだ。

「安藤?」
「あっ、うん、ごめん。ぜ…全然、大丈夫。なんか、ごめんね。」
「大丈夫、ならいいか。久しぶりにすげぇ怖かったよなぁ。」
「うん。……鬼だ。鬼だよ、あの人。」
「鬼て。」

なんだかすごくモヤモヤして、気がついたら唇を尖らせてしまっていたし、眉間にシワがよってしまっていたし、つま先で地面をいじいじしてしまっていた。

「ひよこちゃん?」
「…鬼。悪魔。地獄の使者。」
「もしかして怒ってる?」
「……怒ってない。」
「安藤が怒るなんてめずらしい。」
「怒ってないもん!」

私が口をへの字に曲げていると、三奈ちゃんは面白がって私のほっぺたをぐにぐにとつまんだ。さっきの勝己くんのと比べると全然痛くなかった。

文化祭の役割をどうするかは、一晩だけ待ってもらうことにした。


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