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夢を叶える方法【ヒロアカ】

第49章 buzzっちゃったか




「安藤はダンス隊ね!」
「えっ」


補習から戻って、みんながわやわや役割を決めていた時だった。三奈ちゃんから突如そうお達しが出た。

「あ、や、あの……私、ダンス…自信無い……んだけど、大丈夫かな…?」
「ダンスはワタクシが責任をもって伝授いたしますぜ。」

三奈ちゃんは少しおどけて中世ヨーロッパみたいなお辞儀をした。それから顔だけこちらに向けて、ダンス大好きだからね!と可愛くウインクした。
素敵だな、と思うのと同時に不安でいっぱいになる。私は、こんなに素敵にできない。

それに私が今舞台に上がったら、今私を面白がってる人達がいっぱい来て、みんなの大事な舞台がめちゃくちゃになるかもしれない。それが一番、恐ろしかった。

「あー、私……その、演出隊が…いいなぁって、思ってて…」
「おー演出隊に立候補か!安藤はどんな演出がしたいんだ?」

鋭児郎くんはパァっと嬉しそうに真っ直ぐこちらを見てくる。私はふいっと目をそらし、お腹の前で指をいじいじした。

「あっ、それはえっと……その……」

本当はやりたい演出なんて思いついてなくて、ただ目立ちたくないからってだけで立候補してしまった。そんなの良くないっていうのは分かってる。みんな真剣にやってるのに演出隊を逃げ場にするなんて。

「…血…の雨を……降らせたり……?」
「怖っ」
「それは……ダンスミュージックにはちょっと合わないかなぁ…。」
「あっ、あぅ……」

組んだ手をギュッと握ったまま、ギュッと下唇を噛む。汗がダラダラと止まらない。これ以上意見を強く出したらみんなに迷惑をかけちゃうし、でも舞台に上がることになったらもっと迷惑かけることになっちゃう。

「えっと……」
「ぼ、僕もひよこちゃん、演出隊でいいと思うな!」
「あっ、」

何かを察してくれた出久くんは、助け舟の声を上げてくれる。彼はなんとか必死に言葉を繋げてくれた。

「ひよこちゃんの個性はすごく使い勝手がいいし、」
「んー、確かに?」
「演出隊一緒にやるか!」

みんなも少しずつ、納得してくれ始めた時だった。


「ダンス隊だろ。」


「え?」

その声は、ソファから。
ダルそうに座っていた彼はスっと立ち上がって私の目の前に立った。

「か、勝己くん、?」
「……。」

勝己くんは、いつものイラついた顔で私を見下ろした。

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