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夢を叶える方法【ヒロアカ】

第47章 彼らが暮らした家



全ての記憶に足を止めながら進んだ。
彼のことを、少しでも知ることが出来たらと。


でも、とても難しかった。

どうして、とか。
こういう時、彼はどんな気持ちだったのか、とか。
疑問だけが増えていって。


ココロというものを知って、初めて分かった。

他人の気持ちを完全に理解だなんて、無理なんだ。
「理解出来る」なんて口が裂けても言えない。


歩けば歩くほど、ココロを知れば知るほど、
なんだかとても寂しくて、空しくなった。


それでも、私は、


分かりたい。


理解したいって気持ちを、消したくない。
共に考えたい。

意味はなくても、理解しきれないってわかってても、
考えて考えて、考え続けたい。


それだけを心に、私は歩を進めた。

迷宮のように入り組んだ屋敷の中を、必死に歩き続けた。


子供部屋をぬけて、

居間をぬけて、

書斎をぬけて、

客室をぬけて、

台所をぬけて、

寝室をぬけて。


彼が暮らした場所をぬけて。
たくさんの記憶をぬけて。




『治崎、面子守ろうとしてくれて、ありがとうよ。』




記憶を辿って、その言葉を聞いた。

その記憶に立ち尽くしていたら、後ろから大きな音がした。音がした方に目を向けると小さな扉があって、私はそっちにつま先を向けた。


きっとこの奥に、彼が居る。


私は大きく深呼吸をし、ノックをした。


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