第4章 友達の資格
安藤は乱暴に涙を拭ってこちらを向く。
「な、ないてません!わたし…弱い自分を壊して、強くなって、みんなのとなりに胸を張って立っていられるようになりたい!!だからっ!だから……体育祭で、結果出します!」
「……まぁ…本気でやれよ。体育祭の後も泣かれんの面倒だからさ。」
「な、ないてませんよ!!」
無駄な嘘つく方が合理性に欠くわ。そう思ったが言葉にはしなかった。
「お前も忙しいんだろ?はい、今何時?」
「えーっと…4時半……あぁ!今日タイムセール!」
「はい、いってらっしゃい。」
「失礼しました!あっえーっと、いってきます!」
そこはトレーニングじゃないんかい。勉強にトレーニングに家の手伝い。あいつも忙しいねぇ。
赤い目をこすりながら安藤はタイムセールに走って行った。やっぱり、全部にまっすぐなところは普さんそっくりだ。
昔は見ることが出来た、今は眼帯で隠れている右目を少し、虚しく感じた。