第4章 友達の資格
正直、安藤が体育祭でいい結果残せるとは思えない。
一週間前まで普通科に通い、なにもしてなかった個性が使えない奴が数週間トレーニングしただけで結果を残せるほどウチの体育祭は甘くない。俺はヒーロー科に入る事も反対したし。というか、体育祭はでない方が良いだろう。でも、本人が強く願っているのならしょうがなくって話だ。
しかし、あんなに意志が強い奴になってたとは。ちょっと見直した。あいつなかなか根性あるじゃないか。成長してるな。
オールマイトさんが心配そうに入ってくる。
「相澤くん……どうだった?」
「どうとも……。多分大丈夫っすよ。」
「本当?」
「はい。」
「良かったぁ。杞憂だったかな。普くんはまじでメンタル弱かったからさぁ。そこが似てたらどうしようかと思ったよ。」
「あの人は、あれでヒーローなんて職業できてたことが不思議ですよ。確かにメンタル弱いですけど、あの人よりはメンタル強いですよ。あいつは。」
オールマイトさんも俺も、頭に思い浮かべていたのは、今はなき、かつての英雄の姿だった。