第4章 友達の資格
「まぁ、お前の成績じゃ当たり前だな。転入が決まった時からそういう噂が立つことくらい予想はしていた。」
「……。」
また黙って頷く。目に涙を溜めながら。
「次で結果出さないと本当に資格ないって事になるぞ。お前が泣いて頼めば除籍を考えてやってもいいが。」
「……わかって、まずっ…」
「除籍って事になればこっちも面倒だからな。保護だって割り切って噂なんか無視すりゃいいだろ。」
「いやなんです!守られる、だけなのは、いやなんです!みんなの、隣にいたい……!」
「だったら体育祭で結果出しゃいいだろ。泣くのは合理性に欠くね、まったく。ほれ、泣くな。」
まぁ、ヒーローになろうとも思ってないやつだもんな。苦しいのは当然か。こいつは、此処にいても誰にも文句を言われないようになりたいんだな。
メンタル弱かったり泣き虫だったりするのもやっぱりあの人そっくりだ。
あの人は、こいつが泣いていたら、何をしてやっていたんだっけ?どうやったらこいつは泣き止んだんだっけ?