第4章 友達の資格
安藤が頑張っている事くらい知っている。職員室にいれば授業内容を質問しにくる姿を毎日見るし、この前からオールマイトさんに指導してもらってトレーニングしているって話も聞いた。一応担任だし。
「はぁ……。わかりましたよ。僕から一言言っておきます。」
「ごめんね……!私こういうの苦手で……。」
俺の方が苦手だわと心の中で毒づきながら仮眠室の扉を開ける。
安藤は涙が溜まった目をこちらに向けて凄く驚いたような顔をした。オールマイトさんが出て行った後1人で泣いていたのだろう。
「……あい、ざわせんせい…?……あっ!ごめんなさい!す、すぐ退きますから……!」
凄い勢いで涙を拭って返事をする。泣いてたのバレバレだし、そんな急いで拭わなくてもいいだろ。
「いや……いい。」
「へっ?」
「お前に話があってきた。」
「……。」
「あーえっと……コネで入ったって噂されてるらしいな。」
「っ……。」
安藤は黙って頷く。こういうところは素直で、あの人に良く似ている。