第4章 友達の資格
Side相澤消太
廊下を歩いていると、仮眠室の前にガリガリの男が立っているのがみえた。酷く深刻な顔をしてドアの方を向いている。
「どうしたんですか?オールマイトさん」
「あぁ、相澤くん。いやね、生徒から相談を受けて。君のクラスの安藤さんだよ。」
「安藤が?」
安藤は最近うちのクラスに転入してきた女子生徒だ。安藤は個性も転入理由も機密事項であるという超異例の存在だ。しかしこれは学校側の総意である。
「コネで入ったって噂されてるらしいんだよ……。ヒーロー科に居る資格がないって言われて落ち込んでて。」
「まぁ、そういう事言われるのは予想の範囲内ですね。」
「……確かに保護の為でもあるが……。彼女には言ってない、敵にならないための監視という目的もあるから……。あの子が辛い思いをするのは学校側にも責任があるんじゃないだろうか。」
「あいつが決めた事なんですから、こっちに責任はないでしょう。」
「いやしかし……。担任である君からなにか言葉を掛けてあげてはくれないかな?」
「ほおっておけばいいんですよ。」
「一週間前まで一般の普通科の高校に通っていた子がいきなりこんな学校の、さらにヒーロー科に来て悩まないわけないよ…。彼女凄くがんばってるし……。」