第45章 まぶしい闇
「令状読み上げたらダーッ!!と!行くんで!速やかによろしくお願いします。」
警察の方が最終確認として後ろをむいた。
緊張した私は、いつもの癖で胸の前で手を組んでいた。たくさんの警察の方の中に埋もれながらその時を待つ。
とても大きな日本家屋の前にいる。
一般のお家の気がして、なんでか申し訳ない気持ちもする。
警察の方がピンポンを押そうとした、その瞬間だった。
ガォンッ!!!
すごい勢いで扉が外れたと思ったら、
「何なんですかァ?」
すごい風圧が顔にあたった。風にあおられて前髪がめくれ上がる。
何人か吹っ飛ばされて、それで、
大きい人が扉の向こうから、出てきて。
「朝から大人数でぇ…」
飛ばされた人を何人かのヒーローが助けに飛んで、それを私は茫然と見ていた。
「へ、あ。」
いけない、ぼーっと、
しちゃいけない、のに。
「おいおいおい待て待て!気付かれたのかよ!!」
「いいからみんなで取り押さえろ!!」
「離れて!!」
茫然としていたら、リューキューさんが大きなドラゴンになって、
「とりあえずここに人員割くのは違うでしょう。彼はリューキュー事務所で対処します。皆は引き続き仕事を。」
リューキューは一捻りで敵を地面に沈ませて、
「はい、今の内に!」
「ようわからんもう入っていけ!!」
駆けていく音に、ファットさんの大きな声に、私は慌てて足を動かす。
「梅雨ちゃん!お茶子ちゃん!」
「頑張ろうな!」
「また後で!!」
外で戦う仲間の名前を呼んで、しらない家の門をくぐって、
門から玄関への間にもヤクザさんたちはたくさんいて、個性でばんばん攻撃してくる。
先頭にいるヒーローが応戦しているけれど、怖いって気持ちが、やっぱり生まれる。
ヒーローで、いないといけないと思うのに。
「まっすぐ最短で、目的まで!!」
必死で走りながらちらりと横眼で見た庭は、綺麗に手入れされていて、
誰かが、大切にしていた庭なんだと思った。