第44章 何者
エリちゃんの居場所がわかるまで、私達は待機となった。
寮に帰ってくると、もう夜中だった。
「…」
「…疲れたねぇ。」
「そうね。今日のところはもう休みましょ。おやすみなさい。」
みんな言葉少なで、みんな疲れてるんだってわかった。
みんなと別れて部屋に戻っても、いろんなことが頭を回って、眠れなかった。眠れるわけ、なかった。
エリちゃん、
“個性”破壊、
敵連合、
私の、“個性”。
『お前達の役割は薄いと思う。蛙吹、麗日、切島、安藤。おまえ達は自分の意思でここに居るわけでは無い。どうしたい。』
最後に、相澤先生に言われた言葉も、一緒にぐるぐる回り始める。
あの時、私はみんなに出遅れて、言葉に詰まった。3人がかっこよく言ってる時に、私は必死に考えて。でも私は、なんていえばいいのか、分からなくて。
『安藤は、どうだ。もしかしたらまたお前は、』
『私、今頭がごちゃごちゃで、本当に、何をいえばいいのか、わからない、です。わけわかんないし、不安だし。私がいてもいなくても、大きな未来は変わらないじゃないのか、な、って、もしかしたら、悪化するかもって、思う…んです。でも、』
言葉が上手くまとまらなくて、もだもだと言葉をただ連ねた。
『私は、泣いている子がいたら、涙を拭ってそれで、ただ、笑ってて欲しい、から。その子が、私が居ることで少しでも幸せが増えるなら、私は、参加したい…です。』
カッコ悪かったなぁ、と思いながら私は部屋を出た。
部屋を出たのは、一人でいたくなかったから。部屋にいると寂しくて、何かに押しつぶされそうな気がして。
誰か同じことを考えては居ないかなんて考えてみたけれど、やっぱり誰も居なくて。
ソファにちょんと座ってみては、キュッと力を込めて丸くなる。
「ん、んぅぅう…」
独りでは広過ぎる共有スペースに、また押しつぶされそうになる。心がぐちゃぐちゃと潰されてしまいそうに震えてる。
みんなも同じ、気持ちなんだろうか。
私だけ、なのかな。
顔をあげてみてもただ広く続く部屋、ただだだっ広い闇しかなくて、怖くなった私は共有スペースすらを抜け出した。
扉の外にあったのは、無限に瞬く星と、
それから、