第4章 友達の資格
ヤギさんはずっと頭を下げたままだ。居た堪れなくなる。
「お願いです!頭をあげてください!学校のせいじゃないです!!私の……私の責任です。ただ……その……私を…。」
ヒーロー科から除籍にしてほしい
口にしようと思っていたその言葉が、口から出てこなかった。
みんなの顔が思い浮かんだからだ。
「安藤くん?」
そして、準備していた言葉と真逆の言葉が口から出た。
「……A組に、いさせて欲しいです。」
「えっ」
「私、この学校に入って初めて、出久くん以外に友達ができたんです……。友達が、沢山。…嬉しいんです。だから、私、弱いけど……一緒にいたら恨まれるかもしれなくても……それでも、一緒にいたいと思ってしまうんです。」
「……そうか、君はあのクラスが好きなんだな。」
「ごめんなさい…勝手な事言って……。あっ、それに、学校を恨んだりは、絶対にしません。むしろ感謝したいくらいです。」
初めて、出久くん以外に友達ができた。初めて友達とご飯を食べた。目指すものを見つけた。なりたいと思うものを見つけた。
なんで苦しいのかわかったよ。
私は、
もっとみんなと一緒にいたいんだ。