第4章 友達の資格
ヤギさんは仮眠室に連れて行ってくれた。ソファに腰掛けて向かい合う。
「で…どうしたんだい?顔色が悪いよ。」
ヤギさんは優しく聞いてくれる。
「……私、本当に、此処にいていいんですか?」
「そりゃあ、学校側が居てくれと頼んでいるんだから居て貰わないと。何かあったのかい?」
「今日、教室の前に人だかりが出来てて、普通科の男の子がA組に宣戦布告してたんです。」
「これまた大胆不敵だな。」
「その時、その子言ってたんです。コネで入ったクソアマだって。そういう噂が広まってるって。私に…ヒーロー科に居る資格なんてないって。」
「っ……!!!」
「そう言われるのも、当たり前ですよね。私、入試受けてないし。」
そこまで言うとヤギさんはいきなり頭を下げた。
「や、ヤギさん?」
「申し訳ない。学校側が頼んだことなのに、そんな噂されてしまって。君は何も悪くないのに。」
「いっ、いいんですよ!私は自分を守るために此処に来たんです。自分で決めた事なんですから。」
「あぁ。だが、結果的に君を傷つけた。何も守れていない。許されることじゃないよ。」