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夢を叶える方法【ヒロアカ】

第41章 ノミの先輩と隠れる後輩




「先輩!あのあの!あっ天喰先輩!」
「グイグイ来るなキミ……怖い。」
「こっ……」


私が追うと、先輩は逃げて。
声をかければ怖いと言われ。

声掛けないと、インターンシップ出来ないし。


八方塞がりな状況に泣きそうになる。


「インターっ」


バチンっ!


喋っている途中だったのに。
教室の扉は固く閉ざされた。


扉に指を引っ掛けて、力の限り引っ張ってみても、びくともない。


「んっ…ぐぐっ…お、おさえてる…」

「安藤、何してるんだ?」

「んえっ!うわぁっ!」


その声は後から。

声に驚いた私は、思わず指を滑らせてどしんと尻もちをついた。


「あでで……」


腰を擦りながら声の主を見上げると、彼は優しく手を差し伸べてくれていた


「だ、大丈夫か!?」
「うん。えと…なんとか…。ありがとう、鋭児郎くん。」
「ならいいけどよ」


恥ずかしくてその手に触れられないまま、ゆっくりと立ち上がった。

スカートのホコリを丁寧にはらって、それからじっと彼の目を見る。


「どうしてここに?」
「インターン!いやあ、フォースカインドさん受け付けてなかったからよ。」
「あ……わ、私も、で」


彼の真面目な瞳に、申し訳さと恥ずかしさ、悔しさでいっぱいになって。頬が熱くて、視界が少し揺れている。

立ち尽くした私は、下を向いてぽそりとつぶやいた。


「と、扉が…開かなくて…どうしたらいいか……」


声を出している途中、鼻水をすする音が何度かでた。


「どういうことだ!?…とりあえずそう落ち込むなって!もう1回いっしょにやってみようぜ。」


そんな音、気にも止めないように彼は真っ直ぐな声を出す。それが当たり前、という感じに。

そちらを向けば、その声に違わぬ真っ直ぐな瞳があった。


「ほら、せーのでやるぞ」
「うん!」


扉の窪みにふたりで一緒に手をかけ、引くための体制を整える。


「インターン、安藤と一緒だったら」
「へ」

「いいなって、思うんだ。」

「へぁっ」


耳元で聞こえたものだから。
私はまたも思わずすっ転ぶ。

さっきまで触れていた指先が熱くてぽかんとしていたら、いともたやすく扉が開く。


扉が、開く。


私は彼に遅れをとらぬよう、大きく声をあげる。
ふたり、同時だった。


「「先輩!」」


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