• テキストサイズ

夢を叶える方法【ヒロアカ】

第39章 ベイビー、グッドモーニング




「じゃ緑谷も戻ったところで本格的にインターンの話をしていこう。」


相澤先生がゆったりそう言う。

私の斜め前。
昨日までお休みだったくせっ毛が、そこにはあった。


今日の朝、教室に来るなり鼻息荒く気合を入れていて、いつもより声が大きかった。

そんなのを私は遠くから見ていた。
いつもより遠くから見ても、彼はなんにも変わりなかった。


くせっ毛に目を伏せて、顔を前に向ける。
結構大事な先生の話に遅れを取り戻すみたいに全身全霊で耳を傾けた。


ヒーローインターン。
こないだの職場体験の本格的バージョン。生徒の任意で行う校外活動。


今日まではいまいち集中出来ていなくて話半分で聞いていた。

けど、結構すぐ近くのことらしい。真剣に考えないとな、なんて気合を入れると頬が熱くなった。


「入っておいで。」
「?」


先生の言葉で扉がすっとひらいた。


「職場体験とどういう違いがあるのか、直に経験している人間から話してもらう。」


開いた扉から入ってきた3人の影に、思わず首が右へと傾げられていく。

そして、


「多忙な中都合を合わせてくれたんだ。心して聞くように。」


私の顔はサァッと血色を失って、冷や汗を噴出し始める。

だって、


「現雄英生の中でもトップに君臨する3年生3名…」


この中に、


「通称、ビック3の皆だ。」


私がぶつかってしまった先輩がいたのだから。




教室はザワザワしていた。
びっくすりー!とか、めっちゃキレーな人いるー!とか。

そんな場合ではなかった。

あの先輩が。

目も耳も鋭い。
あのテレビ弁償の先輩が、居る。


それにあの先輩が……

「びっくすりーなんて、にげられない……」


「何から逃げるの?ひよこちゃん?」
「あやっ、えっと……その…」


くるりと振り返った梅雨ちゃんにもしどろもどろになりながら、本当にその先輩なのかどうかもう一度その先輩をのぞき込む。



バチンッ



と閃光が飛んだ。

目が合うとそんな音がするって初めて知った。

爆発したみたいだ。車に乗って全速力で正面衝突したみたいな、そんな衝撃がした。本当に。


私は蛇に睨まれた蛙のように固まって、
一方先輩は、



真っ青な顔で震えていた。



/ 728ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp