第4章 友達の資格
勝己くんはいつもかっこいい。
いつも後ろ姿を見ている。小学生の時も、中学生の時も、変わらず皆の前を行く。
きっとこのクラスの他のみんなも同じだ。みんなの前を歩くような超一流のエリートのヒーローの卵。
私には孵化する力がないのかな。もしかしたら受精卵じゃないのかも。
ひと通り騒ぎが終わっても私は動けなかった。
「大丈夫?ひよこちゃん。爆豪くんも言ってたけど、あんなのただの八つ当たりだよ。」
「…。私……。」
きっと、彼の言っていたことは、本当だから。きっと、私にここにいる資格なんかない。
すると、出久くんの口から信じられない言葉が出てきた。
「……ひよこちゃん、今、毎朝毎晩トレーニングして頑張ってるんでしょ?僕知ってるよ。」