第37章 Let's struggle!
目を開くと、知らない天井があった。
下の方では輸血パックがゆらゆらと揺れている。
見たことのない景色に、私はしばらく釘付けだった。
だんだんと思考が解けていって、私は一番大切なことに気がつく。
「あー!!試験!!」
ガバッとベッドから飛び起きた。
急な動きに、身体は少し驚いて
へにゃへにゃとベッドへと舞い戻っていく。
「うぅん…」
「無茶苦茶しすぎだ、安藤。」
下の方から聞こえたのは、低く落ち着いたあの声だった。
「相澤先生……試験、どうなったんですか?」
「ついさっき発表が終わったところだ。」
「えっ!じゃあ結果ぁぐぁっ」
性懲りも無く大きな声を上げ飛び上がると、先生はお得意の捕縛武器で私をベッドへ縛り付けた。
「寝とけ。」
「体罰だ……」
身体の自由が奪われてしまっても、心臓の音はどんどん増すばかりだった。
「先生……結果…は…?私は……その、うかっ……」
「…お前、知りたいか?」
「あ、え……えっと…なんですかその反応…!どういうことですかそれ怖いですよ!」
私が震えながら訴えると、先生はしゅるしゅると私を捕縛していたものを解いて、ポイと何かを投げた。
2つ折りになった、なにかの……プリント?
頭に疑問符を浮かべながらそのプリントに手を伸ばすと、2つ折りになったその内側からなにかが滑り落ちてきた。
その何かは、私のふとんへポトンと落ちた。
キラキラの、硬そうなカード。
“HERO”って、書いてある。
もしかして
と、震える指でそれを裏返してみた。
【ヒーロー活動許可仮免免許証】
黒く角張った文字が整列している。
そんな文字の隣には、私の緊張しきった顔がある。
「え……え?」
「見ての通りだ。」
「わた、し……」
「合格だよ。」