• テキストサイズ

夢を叶える方法【ヒロアカ】

第37章 Let's struggle!




右、左、右、上!


剣を振りまわして、髪を振り乱して。


ごめん、ごめんなさい。試験なんです!
許してください。大丈夫ですよね、承知の上ですよね!


右、右、左右!血を溜めて集めて、固めて!


「はぁ、はぁ、はぁ……」



周りの方々はひと通り終わったことを確認して、私は動きを止めた。


固めたその方々を、しゃがみこんでのぞき込む。


「あのぅ…。すみません、手荒な真似して……」
「……。」


覗き込んだ仮面からは、表情は何にもわからない。

ちょっとだけ苦しそうな声が、時折こぼれるだけで。


「一緒に、救護所…行きます?怪我してませんか?」
「いや……試験なんだからダメだろ…。優しさはありがたいが…。ほら、来るぞ」
「え、」



キィィイイン


大きな波動が、私を襲う。

ちょうどしゃがんでいたところだったから、私はころころころん、と転がって。


大きな“シャチ”が出した超音波だって気づいた時にはもう遅かった。


「うにゃぁ゛ぁぁあ!?」


コロコロ転がってしまうのに必死にブレーキをかけて、私は見張った。

ガクンと白目をむいた真堂さんがゴロンと転がっている。


真堂さんが、大変だ。


足は、自然に動く。
行かなきゃって、勝手に。


なんで、どうしたの?
あのシャチって、もしかして、ギャングオルガ!?


よた、よたよたとふらつきながら必死に声を出す。

真堂さんを、助けなきゃ!


「真堂さん、真堂さん!え、なん、わ、うにゃぁあ゛あ!!」


指が真堂さんに触れる前に地面は斜めに盛り上がって、私はまた、盛大にバランスを崩した。

私はまた、こんころこんと転がった。


「いつつ……と、轟くんっ、かぁ……」


肌にビシビシと伝わる刺すような冷気で、誰のどの個性か、すぐに分かった。


邪魔してごめんね、轟くん。

頭にそんな言葉を流して、
私はもう一度手に力を込め、剣を用意する。


「わ、たしも……加勢…しなきゃ」


立ち上がろうとした私の袖は、誰かに強く、ひかれた。


/ 728ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp