• テキストサイズ

夢を叶える方法【ヒロアカ】

第37章 Let's struggle!




「誰かいますかー!!」


救助される側としては、どんな気分なんだろう。


黙々と要救助者を探しながら、そんなことを考えていた。


ヒーローが来て、ほっとするのだろうか。
安心するのだろうか。

じゃあそれまでは、不安でたまらないのだろうか。


それならば。


救助の立ち回りに慣れていない、ひよっこのひよっこである私に出来ること。


それって、安心させること、だけなんじゃないのかな。


楽しいから、面白いからの笑顔ではなくて、
人を安心させるための、優しい笑顔を。


ヒーローの、笑顔を。


「もう平気ですよ!」


そんなことを考えて笑顔を作った。



「ありがとう。」



うずくまった少年は少しだけ安心した顔で、“ありがとう”と、そう言った。



きっと、この時私の心に拡がったものの匂いや味や名前を、大人になっても、たとえヒーローになった時でも、説明出来ないと思う。

それくらい素敵な色が、私の心には拡がった。



私はじめて、人を救けた。

“ありがとう”って、言ってくれた。



今までもありがとう、って言われたことあった。けど、“ヒーローになりたい”って願ってから、はじめてなんだ。

嬉しくなって、涙が出そうになって。


でも約束を思い出したから、我慢した。


「避難場所!一緒に行きましょう!」
「う、うん。」


彼の手をとって、歩き出す。
大丈夫、大丈夫って、語りかけながら。











そんな時だった。

近くの壁から、耳を劈く破壊音がしたのは。


/ 728ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp