第37章 Let's struggle!
ビタンっ
おでこに、大きな大きな湿布を貼られた。
冷え冷えで、つめたい。
ビジュアル的には最高に滑稽で、私は何度もデコをさすった。
モニターの先では、飯田くんと青山くんがカッコよくフィニッシュを決めていて、みんな雄英全員一次通った!!って喜んでいる。
すごい、みんな凄い!
みんな、超カッコいい!
「…よーし!」
「お?安藤平気か?」
「もっちのろーん!!」
気合を入れて勢いよく立ち上がれば、少しだけ立ち眩みがした。
でも、ちゃんと脚を踏ん張った。
大丈夫。ふらついてない。
「二次、頑張らなきゃな!!」
そうやって鼻息荒く意気込むと、鋭児郎くんはニカッと笑っておうっ!と言った。
「ほらあっち、みんなのところ行こうぜ!」
「うん!」
ちょっとだけ覚束無い足に知らんふりして私は駆けた。
『えー、100人の皆さん。これ、ご覧下さい。』
モニターにパッと映ったのはさっきのフィールド。
誰もいない閑散とした土地が広がっている。
さっきまでドンパチやってたのになぁ、なんて思った矢先だった。
BA-DOOOM!!
と、会場がすべてまんべんなく爆破されていく。
何故…!??
頭の中の疑問符はあふれてとまらないけど、放送の声はそんなの知ったこっちゃなくて
『次の試験でラストになります!皆さんはこれからこの被災現場で、バイスタンダーとして救助演習をやってもらいます。』
そんなふうに新しい情報を言い放ち続けた。
“ラスト”
“被災現場”
“救助”
そんな言葉が断片的に流れ込んでくる。
さっきまで緊張や不安でいっぱいで、胸が張り裂けそうだった。
でも今は違う。
不安や緊張だけじゃない。
ちょぴっとだけ、自信も湧いてきたのだ。